『チ。ー地球の運動についてー』アニメ完結!なぜ天才は殺されたのか|感想と歴史背景
アニメ『チ。ー地球の運動についてー』最終回まで視聴しました!
漫画は未読、何の話なのかほぼ知らないままアニメだけを見ました。
漫画未読、歴史に詳しくないな…という人も楽しめます!
…のですが、とにもかくにもこれに尽きます。
人類史上最大級の科学進歩の阻害では?
と思ってしまったよ!
今では当たり前の地動説ですが、人類がそれを公式のものとするまでどれだけのことがあったか…。
『チ。ー地球の運動についてー』アニメの魅力を解説!あらすじとネタバレ感想、魅力も書いていきます
『チ。ー地球の運動についてー』のあらすじ
舞台は15世紀ヨーロッパ風の架空の王国。地球が宇宙の中心であるという「天動説」は絶対視され、反対するものは異端審問官によって拷問や処刑を受ける宗教国家。神童と呼ばれる少年ラファウは、投獄されているフベルトから「地動説」を教えられ、その魅力に引き込まれていく。ラファウは異端審問官ノヴァクに追われながらも、真理を取るか平穏を取るかという選択を迫られる。
作者:魚豊
出版社:小学館
連載誌:週刊ビッグコミックスピリッツ
放送局:NHK
アニメ放送期間:2024年10月~2025年3月
巻数:全8巻
『チ。ー地球の運動についてー』感想│なぜ天才は殺されたのか
拷問・密告・思想弾圧が日常
研究や学問が命がけだったね
天動説と地動説の歴史ロマン…の前に入り口として私としては、
感動以前にドン引きしました。
もちろん現代人は天動説は間違っていて地動説が正しいことを知っているからかもしれないのですが、
地動説に気づくということはそれだけ優秀な人材ということになりますよね。
優秀な人材をあぶりだして殺していたよね
正しく天体観測ができて、前提にとらわれずフラットに物事を考えることができる。
地動説に気づいた彼らは国を豊かにする力を持つ超エリート達なんですよね…。
なんでそこまでして、神様中心の世界を守りたかったのかな?
権威と支配構造を守りたい聖職者たち
当時の聖書はラテン語で書かれていました。
一般市民はラテン語を読むことができないため、一部の聖職者たちしか聖書の原文を読むことはできませんでした。
つまり聖書は社会の絶対的なルールであり、聖書を読むことができるのは聖職者だけ。
この状態にしておけば、聖職者たちの権力は揺らぎません。
聖書に書いてあるって言えば市民はみんな言うことを聞いてくれる
やりたい放題だよね
答えは、聖書の記述とずれることだよ
聖書の記述が間違っていたことがわかると、こんな風になるかもしれません↓
え?地球が宇宙の中心じゃないってことは、
聖職者の言ってること間違ってない?
ならもう聖職者の言うこと聞かなくていいじゃん!聖書に従って生きることないじゃん!
大体税金高いんだよ!
→こうなってしまうことを恐れたのです。
文化の衰退だよ…
普遍論争とは?『チ。ー地球の運動についてー』との関係性
普遍論争の定義
こういう中世哲学のど真ん中を学べることもチ。の魅力の一つだね
NHKで放送していただけありますね!勉強になります。
作中ではヨレンタさんとパデーニが話し合っていました。
たとえば、人間・善・美という共通概念は現実に存在するのか?
それとも人間が名前を付けただけなのか?
これを何百年も揉めたのが普遍論争です。
そして回答として、3種類の派閥がありました。
①実在論(リアリズム)派
②唯名論(ノミナリズム)派
③概念論(中間派)
それぞれ柴犬にたとえて次の章で解説するよ!
柴犬で普遍論争をたとえてみるよ
テーマ:柴犬という存在はどこにあるのか?
①実在論(リアリズム)派
柴犬は”柴犬性”として実在しているよ!
世界には完璧な柴犬という概念があり、
今いる柴犬はそのコピーである、という考え方です。
②唯名論(ノミナリズム)派
柴犬なんて存在しない!
実在するのはこの犬、この犬、この犬、だけ。
柴犬は人間が勝手に分類しているだけ、勝手につけた名前、という考え方です。
ちなみに作中でのパデーニの立場はこちら、「唯名論」です。(アニメ第8話)
③概念論(中間派)
柴犬は頭の中にはあるよ!
現実には完璧な柴犬はいないけど、
「柴犬っぽさ」は考えられるよね?ということです。
地動説・天動説との関係性は?
本作のメインの論争である、地動説・天動説の論争。
これと普遍論争はどんな関係があるのでしょうか?
地動説VS天動説は、唯名論VS実在論と同じなんだよ
もっとわかりやすく言うと、
『チ。ー地球の運動についてー』は唯名論VS実在論の物語です。
教会側「神の作った完全な宇宙(天動説)」→実在論
地動説側「観測された事実に基づく(地動説)」→唯名論
パデーニをしっかり唯名論側に置いているのが作者のすごいところ
柴犬で例えて、完璧な柴犬がいようが、いなかろうが、私たちにはさして問題になりません。
地球が回っているか回っていないかも、さして生活に支障がある問題とは思えません。
ですが、聖職者たちにとっては大問題なのです。
普遍論争とは、世界の仕組みを神が決めたのか?人間が調べて説明するのか?の論争です。
人間が調べて説明することにされたら都合が悪いのです。
人間が説明できるなら神がいらなくなっちゃうし、
そうなると聖職者もいらないもんね
人類史上最大級の科学の阻害では?
ここからは完全に一個人の感想だよ!
噛み合ってしまった最悪の歯車
地球の運動を研究しただけで
異端審問官に拷問されるなんてあまりに馬鹿げています。
地球が回ろうが止まろうが一般市民の生活は特段変化なしなのに
明らかに異常です。
- 聖書に地球が中心的な記述がある
- そのうち聖書が絶対的になる
- 聖書通りでは説明がつかない研究結果が出てくる
- 教会は理屈で論破できない
- 消すしかない(権威を守るために)
感情的には狂ってるけど、構造的にありえなくないんだよね
すべてが嚙み合ってしまった、歴史上本当にこれが起こってしまった。
事実は小説より奇なりです。
聖書がラテン語で書いてあって一般市民は読めなかったと
初めて知った時私は「え?陰謀論?」という感想になったよ…
だって、就業規則を社員が読めない暗号で書いてあるようなもんだよね…
強欲系上司が「就業規則に書いてあるから残業しろ!」とかいけるわけだよね…
恐ろしいよ…
『チ。ー地球の運動についてー』を見るならdアニメがおすすめ!
歴史に触れた傑作、ぜひ繰り返し見てみてね!


