『ご近所物語』は人生の教科書!「天ない」「パラキス」との繋がりやバディ子の涙から学ぶ“自分の軸”の作り方
矢沢あい先生作品でも人気作の『ご近所物語』。
天ない既読勢からしたら、ケンにそっくりのツトムが主人公!?なのですが…
大人になるとより刺さる傑作少女漫画だと思います。
この疑問に正面から向き合ったうえで答えを出す名作です。
同じ学校に通いながら、同じ幼馴染に恋をしながら、
学生生活の充実度が大きく分かれていく残酷さとリアルさを
お洒落でかわいいファッションやきれいな絵とともに描かれます。
『ご近所物語』の魅力を幼馴染という関係性と自己実現というテーマから読み解いていきます。
『ご近所物語』あらすじ&作品情報
矢澤芸術学院2年の幸田実果子(こうだみかこ)はファッションデザイナーになることを夢見ている。幼馴染の山口ツトムは最近流行りのアーティスト、マンボーの中川ケンと顔がそっくりのため学園内外で人気者になっていた。隣の家に住む実果子とツトム、ヤザガクの仲間たちの恋と成長を描いた青春ラブストーリー。
作者:矢沢あい
掲載誌:りぼん(集英社)
連載期間:1995年〜1997年
巻数:全7巻
『ご近所物語』矢沢あい先生の他作品のとのつながりは?
『天使なんかじゃない』(天ない)とのつながり
超有名作品!
連載順としては、
『天使なんかじゃない』→『ご近所物語』になります。
『天使なんじゃない』から『ご近所物語』に登場するキャラは下記です。
・翠と晃
20歳になった2人が実果子のフリーマーケットでの洋服の初めてのお客様になります。
翠が天使の羽のついたリュックサックを購入します。
・中川ケン
人気バンド「マンボー」のボーカルとして複数出演します。
ケンが翠をモデルに作詞作曲を担当した
「天使のほほえみ」はヒットソングになり、留学中の実果子とロンドンで偶然出会う回もあります。
余談ですが、「天使のほほえみ」はマンボーのインディーズ時代からマミリンが推していた曲です。
先見の明があるマミリンさすがだね!
・瀧川秀一
特別編「カラフル」にて、委員長の家庭教師として出演します。
『Paradise Kiss』(パラキス)とのつながり
実写映画化された超有名作品だね
・幸田実果子
『ご近所物語』の主人公ですが、パラキスの主人公早坂紫が実果子のブランドハッピーベリーのファッションショーのモデルを務めます。
・幸田実和子
『ご近所物語』の主人公幸田実果子の妹で、『ご近所物語』では最終話で小学生時代が描かれます。
パラキスではヤザガクの服飾化の高校生として出演します。
・徳森浩行
『ご近所物語』のバーをしている徳森浩昭の息子。最終話で小学生時代が描かれます。パラキスの主人公早坂紫のクラスメイト。
・永瀬嵐
『ご近所物語』の実果子のヤザガクでのクラスメイトである、神崎リサの息子。最終話で小学生時代が描かれます。
ヤザガクを舞台にしていて
ファッションも凝っていておすすめの漫画だよ!
『ご近所物語』の魅力|幼馴染との恋は世界が狭まるのか?
幼馴染といても世界は広がらないのか?
だって幼なじみなんかにハマっても世界広がらないっつーかー
色々アソビたい年頃なのにー
だたらねーわざと別の高校受けて家も出たわけー
で いろんな人とつき合ってみて わかったんだけどー
どーでもいい人と世界広げても中身が空っぽってカンジ…
それなりに楽しーけど なにしても感動がないのよねー(バディ子/1巻)
『ご近所物語』1巻でバディ子はこう話します。
ツトムも同じような気持ちを実果子に対して感じていました。
『ご近所物語』では二組の幼馴染が登場します。
- 実果子とツトム
- バディ子と修一
です。
結末としてはこの2組はそのまま結婚しますが、かなり紆余曲折がありました。
「どーでもいい人と世界広げても中身が空っぽ」
バディ子のこのセリフを聞いたツトムはその後実果子とつき合います。
その後ツトムはカメラマンの道へ進み、実果子はロンドン留学後自分のブランドを持ち夢を叶えました。
ハッピーベリーの洋服かわいいよね
幼馴染同士で結婚しても世界は広がっているのです。
実果子が留学を決断できた理由
実果子の世界を大きく広げるきっかけになった出来事はやはり留学です。
グランプリを受賞して留学、最高にかっこいいよね
ですが、留学に行くことを決めるまでかなり実果子は悩んでいました。
最終的に留学に行くことを着ますが、
なぜ実果子は留学に行けたのかと言うと、
ツトムが「行ってこい」と言ったからです。
実果子は最後まで、ツトムに
「行くなって言って」
と言っていました。
行くと決断したのは最初だけなのです。
夢に向かって真っ直ぐだった実果子が初めてここで弱さを見せました。
ここまで仲良くなったツトムと別れることになるかもしれない
その恐怖が夢への強さを上回ってしまったようでした。
悩んでいる実果子がすごく意外だったシーン
そしてツトムも最初は実果子を送り出すことができませんでした。
言えるようになったきっかけは、実果子の父の写真を手伝ったことです。
ツトムはカメラマンになるという自分の軸や将来の夢が見つかった後で、
実果子を送り出すことができています。
なんで急にツトムが実果子を送り出せたのかわからなくて
まめしばは何度も単行本を読み返したよ!
青春の勝ち組に見えるバディ子が退学
中須茉莉子、通称バディ子は美人でスタイル抜群の人気者で学園の有名人。
一般的には青春の勝ち組に見える女の子です。
ですが実際には修一と田代勇介という2人の好きな人のどちらともうまくいかず、
うまくコミュニケーションもとれず、学校をさぼってばかりで卒業できず、
ついに退学することになりました。
美人でおしゃれで大好きなキャラクター
たしかに勇介とのデートは恋でありながら逃避にみえるような恋愛で、
バディ子はよく泣いており、辛そうな学生生活を送っていました。
なぜ彼女がつらかったのか、学園祭の勇介のセリフで明らかになります。
この学校の連中はさ
みんなそれなりに夢やら目標やらがあってそれを当然のことみたいに思ってる
おれらの歳でそんなの見つかってる方がめずらしいのによ
そんな奴らの中で自分見失って置いてかれる奴の気持ちがおまえわかる?
置いてかれないように必死になってる奴の気持ちわかる?
お前の姉ちゃんは自分の道見つけるためにここを出るって決めたんだ
軽はずみに止めてほしくなんかねえんだよ(田代勇介)
恋か夢か、どちらを取るべきか、優先すべきかといった答えを
矢沢あい先生は出さなかったのだなと思います。
やはり、夢を持って進むと恋をしながら二人で世界を広げることができる、ということだと思います。
勝ち組に見えながら、一番弱くもろかったのがバディ子だったことが最後ににわかります。
ヤザガクではみんな意識が高い中で、授業にもついていけない、
クラスメイトはみんな夢を語れるのに自分は語れない。
実果子にとって学校が自分の居場所なら、
バディ子にはきっと想像以上につらく逃げたくなる場所だったのだと思います。
ある種実果子と正反対のキャラクターとして存在しているかもしれません。
残酷で、すごくリアルなキャラクター
『ご近所物語』見どころ|残酷でリアルでお洒落な青春の物語
- 『天ない』から『パラキス』へ続くその後
- 自分の人生を持てた人から世界が広がる
- 残酷でリアルでお洒落な青春の物語



実果子が自分のことを自分で決めない、珍しいシーンです