『ハケンアニメ!(上)』クリエイターの理想とビジネスの現実を描いた、熱い仕事小説
『ハケンアニメ!(上)』を読みました。
自分もアニメファンで毎クール見るので、
裏側をがっつり見ることができる作品で面白かったです…!
さすが辻村深月さんの作品という感じで、内容も面白かったです。
迷ってる人は読んでみてほしい
『ハケンアニメ!(上)』あらすじ&作品情報

アニメ業界を舞台に「覇権(ハケン)」の座を巡り、ディレクター×天才監督、新人監督×ディレクターがぶつかりあう熱い仕事小説。覇権アニメとは、そのクールで最も成功したアニメの称号。
著者:辻村深月
出版社:講談社
『ハケンアニメ!(上)』の魅力

クリエイターの理想VSビジネスの現実
筆者は本業が経理なのであまりここには驚かなったという前置きをまずしたいです。
ハケンアニメで描きたいことは一番は創作物を作る仕事でありながら、
商業的に成功させるために、葛藤がたくさんあるということだと思いました。
いいアニメをただ作るだけでは全然済まないということですね。
まあ経理としてこれは当然…ではあるけども
天才と呼ばれる王子監督でさえ、「天才監督」「イケメン監督」というコピーをつけてまで世間の前に立ちます。
広告になるためですね。
『サバク』を制作した斎藤瞳監督も、夕方5時枠を加味して、作品内に商業的要素を組み込んでいました。
複数種類のロボットおもちゃを売るということです。
ヒット(=ハケン)には作り手と売り手両方が必要
監督は心に残る作品を作りたい、
プロデューサーはそんな監督に伴走しながら、商業的に成功させなければならない。
両方必要だから、協力しなくてはならないけども…
目指すゴールが同じでありながらも絶妙に違うので、そこをどううまくやるかがまた醍醐味のようでした。
ですがまあ対立しますよね。
下記は王子監督のインタビューでの言葉です。
覇権って、誰が決めんの?それ。成功って、それ結局、どのアニメが一番儲けたかってことでしょ。制作会社の人間から出た言葉なら、間違いなくそうだよね。そんなこと意味ある?アニメってさ、勝たなきゃいけないの?頂点取ったひとつ以外は負けなの?
そりゃ儲かるに越したことないし、利益は出さなきゃいけないよ。わかってる。でもさ、その期間に作られた他のアニメを全部制圧して一位を取りたいなんて、俺は思わない
この言葉を出せるのは王子が監督だからですね。
プロデューサーの有科や行城がこんなことは口が裂けても言えないと思います。
ですが有科は「私はあなたに、覇権を取らせて見せる」と話しています。
これが監督とプロデューサーの微妙な関係性なんですね。。。
でも有科は、王子のこういうところが好きで憧れている、
というのがよくわかるストーリーでした。
よくできた綺麗なストーリーだね
そしてさらに、作品を作る人だけでは「覇権」は取れないという結論です。
作品には商業的成功が必要だが、制作者には十分なお金が回らない

これがだめすぎる
斎藤瞳監督は、玩具を売ることまで考えてロボットを何種類も売れるような
商業的な設計まで考えてアニメを作りました。
それなのに本人は退職、理由は給料が安すぎるということでした。
これは相当理不尽ですね。ビジネスモデル的にそうなるという問題提起でありつつ、
業界として長年変えられない問題のようでした。
収入保障がないのに副業も禁止…!?みんな喧嘩別れで辞めていく…!?
あれだけ残業して生活をささげて、この待遇!?
覇権を取ったとしても次の年に十分に生活できるわけではないということですね。
作品が売れて、会社が儲かって、監督として評価され、好きなことを仕事にできても、
それが安定した生活につながらない。
考えさせられるね
『ハケンアニメ!(上)』の見どころ

- クリエイターの理想VSビジネスの現実
- ヒット(=ハケン)には作り手と売り手両方が必要
- 作品には商業的成功が必要だが、制作者には十分なお金が回らない
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