『キャンディ♡キャンディ』の感想&レビュー|ハイレベルなストーリーと絶版の理由を解説
今は絶版となった伝説の少女漫画、『キャンディ♡キャンディ』をご紹介します!!
少女漫画のレジェンド!!!
紹介しても読めないじゃん!と言われそうなのですが、
もしいつかまた書店に来る日が来たら、と思いますし、
やはり漫画サイトを運営するうえでこの作品は外せないというのが本心です。
再版して、今の若い子にも読んでほしい
電子書籍を300冊以上購入している筆者が、『キャンディ♡キャンディ』の魅力や現在の絶版状態の理由について熱く語ります。
『キャンディ♡キャンディ』あらすじ&作品情報
舞台は20世紀初頭のアメリカとイギリス。孤児院育ちのキャンディはお金持ちの家に「話し相手」として引き取られ、苦難を乗り越えながら成長していく。
原作:水木杏子、作画:いがらしゆみこ
掲載誌:『なかよし』(講談社)
連載期間:1975年~1979年
巻数:全9巻(完結済)
累計発行部数:1200万部突破
原作者と作画者の著作権をめぐる裁判の影響で、2001年以降は原作漫画・テレビアニメ共に再販・再放送・配信ができない状態です。
『キャンディ♡キャンディ』の魅力
忘れられないストーリー
少女漫画9巻で1200万部、いわゆる社会現象を起こした少女漫画です。
アニメも放映され人気の漫画でした。
しかも現代日本が舞台でなく、20世紀のアメリカイギリスを舞台にした少女漫画でここまで人気を博したのは、この作品だけかもしれません。
強みはとにかくストーリーです。筆者は子供の時に初めて読みましたが、鮮烈なストーリーすぎて今でも覚えています。
言い方は乱暴ですが、そこいらの漫画とはストーリーのレベルが違いますね。
特徴は一言で言うと「幸せをつかみかけたとたん物語が大きく動くこと」です。
アンソニーと恋仲になれそうになった途端落馬事故、
テリィと結ばれかけたときにイライザに嵌められて退学、
再度テリィと会ったところスザナが照明事故で彼をかばい破局。
何この展開…人の心とかないんか…?
アンソニーの事故の後まであんたのせいって八つ当たりされてた
それでも前を向いて生きていく。
逆境に立ち向かう素直な主人公の漫画は多いですが、
孤児院育ち、話し相手として引き取られ、恋仲になった男性がことごとくいなくなる。。。
不幸のレベルが他の漫画と違いすぎます…。
時代背景と絡めた緻密な設定
作品の舞台は第一次世界大戦前から始まります。
キャンディが聖ポール学院へ留学し、イライザに嵌められ退学したのち、
第一次世界大戦が勃発します。
その後看護師として働いていたキャンディは従軍看護婦を目指しますし、
アードレー家の長男ステアはパイロットに志願します。
元々の孤児院育ちという背景の当時の階級社会や、女性の自立、
当時の学院生活や芸能界など、とにかく作者さんは何者なの?と思うレベルの知識量です。
原作の水木杏子さんは、2007年『レネット 金色の林檎』で日本児童文芸家協会賞を受賞されています。
つまり漫画原作だけでなく、児童文学でも実績を残した作家です。
さらに先生は『キャンディ♡キャンディ』連載当時はなんと20代半ば。
20代半ばでこの大河ドラマを手掛けていたってこと…!?
天才とはこのことですね。
絵もすごくきれいで、聖ポール学院の制服デザインは今でも忘れられません。
かわいいです。
いつまでも議論し続けられるラスト
テリィを庇って自分の足を失ったスザナを見て、
キャンディとテリィは別れることを決めます。
二人は暗黙の了解のように別れるので、子供ながらに「なんで?」と思っていました。
だって二人は両想いで、スザナは勝手にテリィを助けたとも言えなくもないです。
読者からしたらスザナは途中から出てきた新参者で、
別にテリィとつき合わなくても引く手あまたのように見えた美女でした。
(実際にはキャンディの方がモテるのですが…)
大人になってから考えて、改めて思います。この二人は別れなければならなかったのでしょうか。
ほかに道はなかったのでしょうか。テリィとキャンディががくっつかないにしても、
キャンディはただの一言も一緒にいたいとわがままを言えなかったんでしょうか。
その気持ちはわがままになるのでしょうか。
だってさ、キャンディとテリィが結婚していて、
それであの事故が起こっていたら、テリィは離婚した?
結婚していたのなら助けなかったとしたら、あれって…
「スザナを見捨てないこと」と「スザナの恋人になること」は、本当に同じなの?
何十年たっても真剣に議論できる、いい漫画だね
1200万部の大ヒット漫画がなぜ読めなくなったのか
原因は「著作権・商業利用を巡る対立と訴訟」
本当に面白いから、
未読の人にはぜひ読んでほしいんだけどね…
残念ながら現在(2026年10月)は漫画が絶版となっており、アニメも気軽に視聴できる状況ではありません。
その背景には、原作者の水木杏子さんと漫画家のいがらしゆみこさんの間で起きた著作権をめぐる裁判があります。
問題となったこと
いがらしさん側が、水木さんの同意を得ずにキャンディのイラストを使った商品などを制作・販売したこと
つまり、絵を描いた漫画家であっても、原作者の同意なく自由に作品を商業利用できるわけではない、ということです。
その後も権利をめぐる問題は解決せず、長年にわたって復刊が実現していません。
超名作が新しい読者の手に届かないことがもどかしいですね…。
書店にまた並ぶ日が来るといいな
『キャンディ♡キャンディ』の見どころ
- 社会現象を巻き起こした、忘れられないストーリー
- 時代背景と絡めた緻密な設定
- いつまでも議論し続けられるラスト




ベルばらと『キャンディ♡キャンディ』くらいかもしれません