『四月は君の噓』感想・考察|かをりが妖精じゃなく 生き急いだ女の子だったラストと名言・タイトル回収を解説
月刊のマガジンで連載され、漫画とともに作られた2クールのアニメも絶好調、
その後実写映画化もされました。
アニメ自体も色の表現、ピアノの手の丁寧な表現、感情をアニメに描写する演出が非常に評価が高く、
また2クールで漫画の1巻~最終巻まで完結させ、非常に完成度の高いものとなりました。
アニメは本当に名作…!!!
他の音楽ジャンルの漫画と差別化される点として、
作品全体の世界観の完成度が高く、映画のような誌的なおしゃれなセリフが多いです。
『四月は君の噓』のあらすじや魅力、名セリフを紹介!ネタバレありで他の音楽漫画との差別化やライバルたちの魅力を解説!
『四月は君の噓』あらすじ&作品情報
母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年・有馬公生。色のない日々を過ごす彼の前に現れた、自由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをり。彼女との出会いが、公生の止まっていた時間を動かし始める。
作者:新川直司
掲載誌:月刊少年マガジン(講談社)
ジャンル:青春、音楽、恋愛
巻数:全11巻(完結)
連載期間:2011年~2015年
受賞歴: 第37回講談社漫画賞
『四月は君の噓』の魅力
2周目を読みたくなる構成
1周目を見てから、宮園かをりが実は公生のことが好きだったこと、
余命が短かったこと、残りの人生を公生の復活(再生)に使いたかったことがわかります。
そうすると、破天荒なかをりの行動にすべて説明がついてしまうことが切ないですね。
- コンクールの受賞を狙っていない(将来がないから賞が必要ない)
- 川に飛び込む度胸
- 渡を好きと言って公生に近づく
- 半ば強制的に自分の伴奏者に決める
- ピアノコンクールに無理やり公生を出す
鬱屈な人生を生きる男性のもとに美少女が現れて人生を変える話はよくありますが、
大体「こんな妖精みたいな女の子でしかも破天荒な子いるわけないでしょ」って感じです。
ですがこの話に関しては余命が短い女の子の話なので、
最後まで見終わると妙に納得がいってしまいます。
金髪にしたのもかをりをより妖精・天使・神秘的な存在に見せるために見えますし、
公生の人生をよりカラフルに彩る存在の象徴にも見えます。
ライバル達も主人公級
有馬公生はいわゆる神童なのですが、作中ではあまりそのように見えません。
実際に有馬をライバルだと思っていた絵見や武士ですが、
有馬公生は「僕はベートーヴェンでもモーツァルトでもない」と言って
母親との関係や猫のチェルシーのことで延々と悩んでいます。
実際にライバルのいない常にトップを走る人ってどんなに気分がいいのかなと
一般人としては思うのですが、実際はこんな感じなのでしょうか。
そして、ライバルたちが神格化している有馬公生を、
チェルシーだけが「ただの傷ついた中学生」として見ているのもつらいです。
セリフの美しさ
音楽漫画は数多くありますが、ここまでセリフがポエムのように美しい作品は珍しいです。
星は君の頭上に輝くよ!(宮園かをり)
この先は暗い夜道だけかもしれない。それでも信じて進むんだ。星がその道を少しでも照らしてくれるのを。さあ、旅に出よう。(宮園かをり)
しかも、作品全体の雰囲気が完成しているので、
くさいセリフもそのように感じさせず、違和感なく入ってきます。
これはまさしくこの漫画が他の音楽漫画と差別化できている点だと思います。
これだけポエムっぽいセリフなのに痛々しくないのは実力だね
タイトル回収の美しさ
『四月は君の嘘』最初はタイトルの意味がわかりませんが、
全部読んだ後になって「渡君を好きだと言ったのは嘘」だとわかります。
二人が出会ったのは春、四月であり、
さらに桜が咲いて花が咲く、世界が色づく季節です。
「恋をするとモノトーンだった世界がカラフルに見える」とも一致させる、
このタイトル回収は天才すぎます。
『四月は君の噓』の名言
「心魅かれるコに好きな人がいるのは当然。恋をしているからそのコは輝くんだもん。」(渡亮太)
心魅かれるコに好きな人がいるのは当然。
恋をしているからそのコは輝くんだもん。(渡亮太)
女の子のことは基本全員大好きな渡が言うからこその言葉にも見えますが、
最初からかをりが公生のことを好きだったことを見抜いているようにも見えるセリフです。
自分のことを好きな人のことを、人は好きになるとも言いますし、
心理学的にも渡が言っていることは正しいのかもしれません。
好意の返報性…!?
「友人A君を私の伴奏者に任命します」(宮園かをり)
友人A君を私の伴奏者に任命します(宮園かをり)
かをりが有馬公生を自分のコンクールの伴奏者に任命する有名なセリフです。
本当におしゃれなセリフですね。
アコガレなはずの有馬公生のことを友人Aと呼んでいるこの距離感もいいです。
映画のような気取ったセリフですが、宮園かをりであれば成立するのが不思議です。
音楽家ですし、ポエムのようなセリフを話すのも違和感がありません。
生きるのに必死だった女の子だからね
「モーツァルトが空から言ってるよ。旅に出ろって。旅の恥はかき捨て、思いっきり恥かこうよ。2人で。」(宮園かをり)
モーツアルトが空から言ってるよ。旅に出ろって、旅の恥はかき捨て、思いっきり恥かこうよ。2人で。(宮園かをり)
「ヒューマンメトロノーム」と呼ばれた有馬公生と真逆の宮園かをりが、
大切なものを失った有馬公生を再生させるためにコンクールの伴奏者に任命します。
過去や母親、ピアノへのトラウマに閉じこもっている公生に、
失敗してもいい(=旅に出よう)、2人で一緒に、と言っています。
こんなの告白じゃん
『四月は君の噓』の見どころ
- 2周目を読みたくなる構成
- ライバル達も主人公級
- セリフの美しさ
- タイトル回収の美しさ
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神童のライバルって神童なんですね…。