『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』ネタバレ感想・考察|猗窩座の人生と狛犬のリンク。なぜ彼は自ら消滅を選んだのか?
なぜ猗窩座の人生はここまで理不尽で救いがないのか。
なぜこのキャラクターが煉獄さんと無限列車で戦ったのか。
そしてこの猗窩座だけが、なぜ最後に自分の意思での消滅を選ぶのか。
私たちが無限列車編を読んでいるころ、作者がすでにここまでの構想を持って、熱量を注いで、このキャラクターと背景を作りこんでいたのだと考えてしまいます。
超ヒットの漫画家が、猗窩座を通して強く伝えたいことがあったのだと思います。
伏線の入れ方も、散りばめられた雪の結晶のモチーフも、すべてが大傑作の伯治と恋雪のエピソードだったね
猗窩座=伯治の人生を狛犬というモチーフから読み解きながら、なぜ彼だけが自分の意思で鬼を辞められたのかを考察します。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』あらすじ&作品情報
柱稽古直後、鬼舞辻無惨は鬼殺隊たちを無限城に引きずり込み、柱たちや隊士たちはばらばらに配置される。胡蝶しのぶは童磨の元へ、炭治郎と富岡義勇は猗窩座とぶつかる。
公開日:2025年7月18日
上映時間:155分
興行成績:現在948億円
原作:吾峠呼世晴
アニメーション制作:ufotable
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』考察|猗窩座の人生はなぜこんなにつらいのか
大切なものを手に入れた直後にすべて失う人生
病気の父の薬を買うために盗みを繰り返していた伯治(猗窩座)。
何度も捕まり次は手首を切り落とすと言われていましたが、そこで自分の父が自ら命を落とします。
その後素流道場に拾われて人の優しさに触れますが、道場ごと毒殺され、すべてを失います。
「強くなければ」と口癖のように猗窩座は言っていました。
- 強くなければ→父親に薬を取ってこれない
- 強くなければ→素流道場を守れない
- 強くなければ→恋雪を守れない
元々伯治にとっての強さは誰かを守るための手段でした。
ですが鬼になってからは強さそのものを信仰するようになります。
「何のために強くなるのか」という後半の目的部分がすっぽり抜けているのです。
ここの演出はすごすぎたよね
最初はただの強さに固執する鬼に見えていましたが、
ここにきて、守るために強さを求めていた人なのだとわかります。
煉獄さんとの対比
猗窩座になってからは弱いものが嫌いで強さを追い求めていましたが、
本来の伯治は、弱い人を守るために強くなる性格でした。
この性格は煉獄さんと似ているのです。
本当は猗窩座と煉獄さんは、対極ではなく似ているのかもしれません。
鬼はもともと人間だったということ
伯治はもともと、かなり理想的な人間性です。
働き者で家族思い、身体能力も高く、恩を忘れません。
ですがそんな人でも、理不尽が続くと自暴自棄になり鬼になってしまいます。
お父さんの看病をあの若さでこなしていたね
社会状況や環境によって、人は鬼になってしまう。
その象徴的な存在として猗窩座の人生はこのようになっているのかもしれません。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』|猗窩座の人生は狛犬そのもの
そもそも狛犬とは?
神社の入り口にいるあの犬の像のことです。
役割は、神様を守る、邪気を追い払う、大切なものを守る存在です。
一言でいうと守護者です。
作中では、伯治の「はく」は狛犬と同じ漢字であることを素流道場の師範に言われていましたね。
師範と伯治は守るものがいなければだめなタイプ、と言われていました。
術式展開の闘気感知は、狛犬に似ている
猗窩座の磁石のように吸い寄せられる血鬼術の仕掛けは、
相手の闘気や敵意を察知するものでした。
そして狛犬の役割は、神社の入り口で邪気を察知して大切なものを守ることです。
猗窩座の能力まで、狛犬のような守護霊のモチーフになっています。
血鬼術の羅針の形が雪の結晶のような形ですが、
それが恋雪がつけていた雪の結晶の髪飾りと同じなのがまた泣けるんですよね…。
武器を使わず素手で戦うところも、素流道場の教えが残っています。
記憶を失ってもどこかに名残が残っているのが泣ける
そして、無限列車編からこの伏線を仕込んでいた作者様にも恐れ入ります。
守るものを失った狛犬
父が亡くなり、素流の師匠、恋雪も失った猗窩座は壊れてしまいます。
狛犬であれば、守るものがなくなるとただの石像に戻れます。
ですが伯治は人間なので、石造のように止まることができませんでした。
大切なものを守るのではなく、「強さ」そのものを守る存在になってしまいました。
守る目的がすり替わってしまったのです。
- 本来:人を守るための強さ
- 鬼になってから:強さそのものを信仰
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』|猗窩座の最後
恋雪を思い出す
最期に恋雪を思い出すことで、猗窩座は強さよりも大切なものがあったことを思い出します。
弱いもの、大切なものを守ることです。
「弱い奴は嫌いだ」と何度も言っていた猗窩座でしたが、
最後には誰かを失う辛さに耐えられず、自分の心を守るために嫌いだと言っていたように見えました。
嫌いだと思わないと壊れてしまいそうだったんだろうね
自分で消滅を選ぶ
猗窩座だけは最後に自分の過去を思い出し、恋雪と再会し、自分で消滅を選びます。
猗窩座は自分の意思で鬼を辞めた唯一の上弦の鬼です。
猗窩座だけが物語的に救いがあるのかもしれません。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』の見どころ
- ufotableの本気!「無限城」の圧倒的没入感
- 猗窩座の過去「狛犬(伯治)」と「恋雪」の物語
- 「強さ」の定義が覆される、驚愕のクライマックス
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章「猗窩座再来」』は漫画何巻で読める?
16巻140話~18巻157話周辺までが範囲になります。
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