『銀の匙 Silver Spoon』感想&考察|「逃げ」を肯定する名言に救われる理由。夢がない八軒勇吾に私たちが共感するわけ
農業マンガで累計1700万部、異例のヒット作品です。
一般的に、1000万部を超えれば上位1%の大ヒットですが、
農業というジャンルでこのヒットは異常です。
サンデー累計売上でも『名探偵コナン』や『犬夜叉』、『タッチ』等に並びトップ10に入ります。
本当に面白い漫画だよ
学生から社会人までみんな共感できるマンガです!
特に人生に疲れたり、癒されたい人に読んでほしいです。
『銀の匙 Silver Spoon』あらすじ&作品情報

高校1年生の八軒勇吾は札幌から大蝦夷農業高校(エゾノー)に入学する。進学校である中学校から農業高校に入学した理由は、寮付きで家に帰らなくていいからだった。進路に迷う少年の成長物語。
作者:荒川弘
連載誌:週刊少年サンデー(小学館)
連載期間:2011年~2019年
巻数:全15巻(完結)
ジャンル:学園、青春、農業
『銀の匙 Silver Spoon』の魅力

リアルな農業・食の描写
八軒が食肉用の豚に豚丼と名付けたり、
結果を出せない競走馬が馬肉にされたり…
食肉用に加工されるシーンがあったり、
農業や畜産という一次産業でのリアルな描写があります。
すごく勉強になった。普段考えないから
現実の努力を描いた新しさ
少年漫画でよくあるテーマは、能力バトルや友情勝利です。
『銀の匙 Silver Spoon』は
労働や将来の不安、家庭や経済の問題を真正面から描きました。
さらに主人公八軒は夢も希望もない等身大の主人公です。
やりたいことがない普通の人がどんなふうに生きるのか、幅広い層から共感を得ました。
バトル漫画ではないですがある意味、
敵は社会や現実の厳しさ、将来なのかもしれません。
敵を社会や現実にするのがこの作品のすごさ
リアルな展開
夏休み、御影の家にアルバイトに行った八軒はいつも通り搾乳機を設置します。
しかし後から、接続がうまくいっておらず、牛乳のほとんどをだめにしてしまったことがわかります。
失った金額はかなり大きく、しかし八軒のせいじゃないと言われ、誰も八軒を責めません。
こんな経験ないのに、自分のことのように辛い
人生の失敗の象徴シーンであり、共感する人も多いのかと思います。
読者層の広さ
この漫画は進路に悩む学生が共感できますし、
就職やアルバイト、企業の話もあり、大人も労働について共感します。
農家が読めば現実として共感します。
漫画を読む学生~社会人まで、老若男女ターゲット層が異常に広い漫画です。
『銀の匙 Silver Spoon』の名言

努力が報われないしんどさがお前にわかるかよ(八軒勇吾)
努力が報われないしんどさがお前にわかるかよ(八軒勇吾)
エゾノーに入学したきっかけについての話になった時、
進学校で成績が伸び悩んだことで今の学校を選んだことを話した八軒。
「要するに負けてこっち来たんか」と言う駒場に対して八軒はこう言いました。
少年漫画の努力が報われる幻想を壊した、共感を呼ぶセリフです。
八軒を嫌いって人は本当に見ないよね。
努力家で優しくて等身大で共感する
逃げたことを卑下しないでそれをプラスに変えてこそ 逃げた甲斐がある(校長)
逃げたことを卑下しないでそれをプラスに変えてこそ
逃げた甲斐があるというものです(校長)
人生って、逃げる瞬間が誰にでも絶対にあります。
逃げてもいい、ただしそのあとどう生きるかだ、というのがリアルです。
セリフ回しがかっこいいのは荒川弘先生の強みとして有名ですが、
単体のセリフもまっすぐでかっこいいですね。
連載当時の不景気時代にもこの作品は共感を呼んだと思います。
本当に名言だねこれは
他にも似た名言として、こんなものもあります。
一度失敗した人間は何もしちゃいけないのか?(八軒勇吾)
人生には失敗もつきものですよね。
人生は一発勝負ではない・やり直せるという救いの核心です。
『銀の匙 Silver Spoon』の見どころ|現実そのものがラスボスの青春マンガ

- 現実そのものがラスボスの青春マンガ
- 名言で人生を突き付けてくる
- 重たいテーマで説教臭くなく、読みやすい
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